2024年6月 — 内分泌学会の年次総会であり、世界有数の内分泌学専門家が集まる学術集会である ENDO 2024 において、私たちの研究チームは 「Diabetes Stem Cells: A Common Target for Abnormal Insulin Secretion and Insulin Resistance」 と題した科学ポスターを発表しました。今回の学会には、100カ国以上から数千人の研究者、臨床医、業界関係者が参加し、世界的な糖尿病危機に正面から向き合う新しい研究成果を発信する、他に類を見ない場となりました。 今回のポスター発表では、糖尿病幹細胞(Diabetes Stem Cells:DSCs)が、インスリン分泌異常とインスリン抵抗性の両方を引き起こす中核的な存在であることを示しました。従来の糖尿病治療は、膵臓や末梢組織に主に焦点を当て、原因ではなく症状を抑えるアプローチが中心でした。DSCsを代謝異常の根本的な発生源として捉えることで、糖尿病の二大病態を一つの仕組みとして結びつける新しい視点が見えてきます。この発見は、血糖値のコントロールにとどまらず、病気そのものに切り込む治療法開発の新たな枠組みを提示するものです。 また本発表では、これらの異常細胞を除去、あるいは「リセット」することを目的とした治療戦略の進展についても紹介しました。特に、HDAC阻害剤とインスリン治療を組み合わせることで、幹細胞の正常な機能を回復させる可能性、そして副作用を最小限に抑えた高精度治療を実現する Biozipcode™ のドラッグデリバリー技術の有用性を強調しました。このアプローチは、20年以上にわたる基礎研究とトランスレーショナル研究の成果に基づくものであり、ヒト臨床試験における糖尿病の完全寛解を目指す国際的な取り組みとも一致しています。 ENDO 2024への参加を通じて、新たな科学的知見を世界の内分泌学コミュニティと共有することの重要性を改めて実感しました。発表後の議論では、血糖管理を超えた「病態そのものを変える治療」への関心の高さが強く示されました。この場を提供してくださった ENDO 2024...
2024年5月――5月17日から19日に東京で開催された 第67回日本糖尿病学会年次学術集会(JDS 2024) において、滋賀医科大学 再生医療開拓講座および医用情報学講座の 小島英人教授 と研究チームが、「糖尿病幹細胞(Diabetes Stem Cells:DSCs)」の発見と、これらを除去することで糖尿病の完全寛解が得られる可能性について、画期的な研究成果を発表しました。 発表タイトルは 「糖尿病幹細胞の発見と、その除去による糖尿病の完全寛解」。糖尿病分野で国内最大規模となる本学会には、研究者や臨床医、企業関係者が多数参加しており、本発表にも大きな注目が集まりました。 発表では、長期間にわたる高血糖状態が、骨髄由来の造血幹細胞に変化をもたらし、糖尿病幹細胞へと変化することが示されました。これらの細胞は、膵臓だけでなく、腎臓や神経など全身に悪影響を及ぼし、糖尿病を持続させる原因になると考えられています。 研究チームは、こうした異常な幹細胞を標的として除去することで、単なる血糖コントロールにとどまらず、糖尿病の完全寛解が期待できることを示しました。特に、インスリン治療とHDAC阻害剤を組み合わせることで、異常化した細胞を“リセット”するというアプローチが紹介され、これまで治らないとされてきた糖尿病に対する新しい治療の可能性を提示しました。 JDS 2024は、国立国際医療研究センター 糖尿病研究センター長である 植木浩二郎先生(日本糖尿病学会理事長)のもと開催され、国内外から数千人の専門家が集いました。小島教授の発表は、20年以上にわたる研究成果を臨床へとつなげる重要性を強く印象づけ、今後の糖尿病治療の方向性について活発な議論を呼びました。 今回の反響は、糖尿病幹細胞が新たな治療ターゲットとして認識され始めていることを示すものであり、滋賀医科大学が糖尿病研究の最前線に立っていることを改めて示す結果となりました。研究チームは今後、これらの成果を世界規模での臨床検証へと進め、糖尿病を「治る病気」として確立することを目指しています。
2024年7月――滋賀医科大学の小島英人教授と研究チームは、日本・袋井市にある KIYAN PHARMA株式会社 の製造施設を訪問しました。今回の視察は、糖尿病の治療法開発に向けて、アカデミアと産業界の連携をさらに深める重要な節目となりました。施設内では、**5-アミノレブリン酸(5-ALA)**を生産する大規模な発酵設備を見学し、5-ALAが持つ幅広い治療ポテンシャルについて、工場関係者と活発な意見交換が行われました。 議論の中心となったのは、5-ALAの製造技術と臨床応用の両面です。袋井工場は、世界でも有数の専用発酵プラントとして知られ、厳しい品質・安全基準を満たしながら、5-ALAを効率よく大量生産できる体制を備えています。小島教授らは製造プロセスを詳しく確認し、臨床研究から将来の商業供給までを見据えた生産体制であることを確認しました。また、ミトコンドリア機能への関与やエピジェネティックな作用といった5-ALAの特性を、Biozipcode™のドラッグデリバリー技術と組み合わせることで、糖尿病の根本原因にどうアプローチできるかについても意見が交わされました。 今回の訪問を受けて、小島英人教授とKIYAN PHARMAは、今後の糖尿病治療研究・開発において、KIYANの5-ALAを積極的に活用していくことで合意しました。最先端の学術的知見と、高度な製造技術を組み合わせることが、臨床的な検証を加速し、最終的に患者さんへ届けるために重要であるという認識を、双方が共有しています。この連携が目指すのは、糖尿病を「一生付き合う病気」から「治る病気」へと変えていくこと。アカデミアと産業界が手を取り合い、科学的発見にとどまらず、世界中の多くの人々の人生を変える実用的な治療の実現に向けて歩みを進めていきます。
最近のパラオ訪問では、パラオ共和国大統領およびコロール州知事とお会いする機会をいただきました。今回の対話を通じて、日本とパラオの良好な関係をあらためて実感するとともに、今後に向けた私たちの構想や取り組みについて直接お話しすることができました。両首脳からは、革新的なヘルスケアやデジタル分野の取り組みが、将来的にパラオの人々にどのような価値をもたらすのかについて、強い関心が寄せられました。 また、こうした要人との面会と並行して、パラオの金融機関局(FIB)とも連携し、事業に必要なライセンス取得に向けた準備を進めています。これは、パラオの制度や国際的なルールに沿った形で事業を行うための大切なステップです。正式なライセンスを取得することで、現地での活動を安心して進められるだけでなく、国内外のパートナーとの信頼関係づくりにもつながっていきます。 さらに、パラオで高い評価を受けている弁護士の一人とも意見交換を行い、法人設立やガバナンスに関する実務的なアドバイスをいただきました。こうした助言は、ルールをしっかり守りながらも、今後の成長を見据えた柔軟な体制づくりを考えるうえで、とても参考になっています。持続的で透明性のある事業を進めるには、土台となる仕組みづくりが欠かせないことをあらためて感じました。 今回のパラオ滞在を通じて、政府関係者、法律の専門家、規制当局など、さまざまな立場の方々と連携していくことの大切さを実感しました。温かく迎えていただき、前向きな意見交換ができたことに感謝しています。今後もパラオと協力しながら、拠点設立に向けた準備を一歩ずつ進めていきます。この取り組みは、単なる事業展開にとどまらず、長く続く価値を生み出すための共同プロジェクトでもあります。
Newsgdtadmin2025-08-13T15:42:27+09:00





